Strategy Document
A店 2億円店舗への
成長戦略まとめ
2026年〜2030年 フェーズ別ロードマップ&今からやるべきこと
作成:2026年3月 対象:A店(札幌駅ビル) 目標:5年以内に年間2億円
Section 01
2億円への成長ロードマップ
2023年にESTAが閉店・バスセンターが移転し、店前通行が激減した。しかし2028年パセオオープン、2030年バスセンター復活で通行客が回復する見込み。この波を取れる店を今から育てることが最大の戦略。
背景:コロナ前は2億円の実績あり。通行客が戻る2028〜2030年に向けて、今が「仕込みの時期」。
Phase 1
今〜2027年
月1,300〜1,400万円
土台を作る。スタッフ育成・固定客獲得・売上の「型」をつくる。
Phase 2
2028年〜
月1,500〜1,600万円
パセオオープンで通行客回復。波に乗る。育てたチームで新規客を固定客化。
Phase 3
2030年〜
月1,650〜1,700万円
バスセンター復活。2億円圏内に戻す。固定客×新規通行客の両輪が完成。
5年後の最終目標
2億
月平均1,667万円。客数・客単価・SET率の三位一体で達成。2028年・2030年の通行客回復が追い風になる。今の育成は2028年のための先行投資。
Section 02
KPI逆算シミュレーション
客数・客単価・SET率の3つを同時に少しずつ引き上げる。一つだけを急に伸ばそうとしない。段階的・持続可能な成長が現実的。
フェーズ 客数/月 客単価 SET率 月間売上(概算)
現在(2026年)
土台固め
470名 6,350円 1.88 約1,300万円
第1フェーズ
〜2027年
500名 7,000円 2.0 約1,400万円
第2フェーズ
2028年〜パセオ後
560名 7,500円 2.1 約1,550万円
第3フェーズ
2030年〜バスセンター後
620名 8,000円 2.2 約1,670万円
ポイント:現状の客数470名から620名は、パセオ・バスセンター開業後の通行客回復で十分届く数字。それまでに客単価とSET率を今より確実に上げておくことが最大の仕込み。
Section 03
スタッフ別育成ロードマップ
今の育成テーマは2028年への先行投資。パセオが開いて通行客が増えた時に「受け取れるチーム」でなければ意味がない。5人が同時に機能するチームが2億円店舗の土台。
れいなさん
MD・キャリア
今〜2026MD計画を立てる・キャリアを進める
2027年店舗戦略を担う・品揃え提案
2028年〜波を取る中心人物・MD×接客両立
ゆきえさん
育成・接客
今〜2026トレーナーとして3名の成長を引き上げる
2027年チームの接客品質を底上げする立場
2028年〜2億円店舗を支える接客の柱
みなみちゃん
深さ・観察
今〜2026ロングの質を保ちながら周囲を観察
2027年後輩への影響力が自然と生まれる段階
2028年〜店舗の「深さ」を体現する存在
くるみちゃん
判断・優先順位
今〜2026優先順位の判断を早くし、〜しながら〜するの精度をあげる
2027年忙しい状況でもブレない動きができる
2028年〜波が来ても動じない現場の要
ほたるちゃん
自分のペース
今〜2026周囲とのペース確認・一つずつ積み上げ
2027年自分のスイッチを自分でわかっている状態
2028年〜自分らしい接客で固定客を持つ
Section 04
固定客づくりの3段階
固定客とは「また来たい」ではなく「この店じゃないとダメ」と思っているお客様。通行客が少ない今こそ、来てくれるお客様を徹底的にファンにすることが最大の戦略。
STEP 01
記憶してもらう
名前・好みを覚える。「あの人がいるお店」になる。→ 見送りトーク・次回への橋渡しが武器
STEP 02
期待させる
「次来たら何か提案してくれる」という予感を持たせる。→ 新作入荷・強化品番の先出し情報・提案精度を上げる
STEP 03
代替不可能にする
「あなたじゃないとダメ」という関係性をつくる。ECにも他店にも絶対に真似できない強み。
Section 05
客単価を上げる接客設計
「高いものを売る」ではなく「必要なものを一緒に全部見つける」。メイン提案の軸を1点に絞ってから広げる順番が、客単価・SET率の両方を上げる鍵。
接客ステップポイントトーク例
今日の目的を聞く 何かお探しか・どんな場面で使うかを確認 「今日はどんなお洋服をお探しですか?」
軸を1点決める お客様の目的に合ったものを1つ絞って提案 「これが一番お似合いだと思います」
コーデ・小物へ広げる 上下・インナー・バッグ・アクセ・靴を添える 「これに合わせるなら…」
シーン提案 次の機会も一緒に考える 「次はどんなシーンで使いますか?」
お会計前の一声 靴・小物・アクセ・アウターの確認 「靴・小物・アクセサリー・アウターのご用意はありますか?」
Section 06
あなた(店長)がやるべきこと
スタッフの育成・接客設計・数値管理はチームに任せながら、あなたにしかできないことに集中する。役割は「プレイヤー」ではなく「設計者」。
🎯
① ビジョンを持ち続ける
2028年から逆算して今を判断する。日々の数字やトラブルに引っ張られず、5年後のゴールから今の行動を決める。
🏗️
② 環境を作る
スタッフが動きやすい仕組みを作る。朝礼の「今日の一つ」・見送りトークの統一・お会計前の一声など。スタッフが自分の成長を自分で確認できる仕組みも作る。
🤝
③ 人を信じて任せる
テーマを持ってもらったら、結果より過程を見守り、うまくいかなくても一緒に考える。「自分が店を作っている」という感覚がスタッフのエネルギーになる。
毎週
振り返りでスタッフのテーマ進捗を確認
数値の流れを読む
毎月
月間予算の進捗確認
来月の仕込みを考える
スタッフ一人ひとりの変化を観察
四半期
フェーズ進捗の確認
固定客がどれだけ増えているかを体感で掴む
年次
2028年に向けた戦略の見直し
スタッフのキャリアと店舗の成長を重ねる
Section 07
変化する市場への先手
インスタは古くなったのではなく、「広告のためのSNS」という使い方が古くなった。どの媒体を使うにしても、根っこにあるべきは「この人に届けたい」という個人の気持ち。
脅威機会
EC・ネット通販(いつでも・安く・比較できる) 体験・接触への渇望(人との会話を求める層が残る)
SNS購買行動(来店前に答えが決まる) 信頼関係の希少性(「この人に聞きたい」は代替不可)
人口・通行客減少 2028年パセオ開業で通行客が戻る
物価上昇・節約志向 AIを使う側になれる(早く使い始めた店が勝つ)
AIによる代替(コーデ提案もAIへ移行) コミュニティ化(店がファンの集まり場になる)
脅威はどこも同じ。機会を先に掴んだ店だけが残る。
Section 08
BeReal・Z世代・α世代と今のお店
BeRealは日本のMAUが500万人超・成長率937%と伸びているが、「盛れない・広告っぽくなれない」SNSであり、企業が計画的に使える媒体ではない。α世代(2010〜2024年生まれ)の消費行動も把握しておく必要がある。
項目Z世代(今の20代)α世代(今の10代以下)
情報収集 SNSで似た人を探す・インフルエンサー参考 AIに聞く・YouTube動画・「見る専」がほとんど
ファッション SNSで答えを見つけてから来店 「自分だけの提案」を求める・体験・参加型を好む
消費価値観 最小限・衝動買いしない・コスパ重視 体験・コトに価値を置く・循環・シェアの感覚が強い
信頼する情報 フォロー中インフルエンサー・リアルな口コミ AIの提案・信頼できる人・親・リアルな関係性
来店動機 SNSで見て気になった・スタッフの発信が刺さった 体験したい・親と一緒に・「選んでもらいたい」
α世代が成人するのは2031年〜。今は親(ミレニアル世代・30〜40代)への訴求が先手。「子どもと一緒に来られる雰囲気」を作るだけで親子来店という新しい来店動機が生まれる。
Section 09
デジタル制約の中での現実解
LINE公式は会社・ブランドが管理。インスタDM返信は会社コンプラでNG。顧客リスト作成も個人情報保護のリスクがある。これらの制約の中で、繋がり続ける手段を考える。
手段個人情報リスク手間繋がりの深さ判定
LINE公式アカウント 低い(同意の上) 中程度 高い 会社管理のため個店では使えない
ブランドのポイントカード 低い(本部管理) 小さい 中程度 来店頻度は見える
インスタDM 高い 大きい 低い・嫌われるリスク大 会社コンプラでNG
口コミ・紹介 ゼロ(情報不要) 小さい(接客の延長) 最高(信頼が伝播) ◎ 最も現実的
スタッフ個人の発信 低い(個人の任意) スタッフ次第 高い(人として繋がる) ◎ 任意で取り組める
現実解:「デジタルで管理しようとしない」
デジタルの手段が封じられているなら、「人が人を呼ぶ」構造を磨くしかない。それはECにも他店にも絶対に真似できない強み。
1
「次回への約束」を接客の中に埋め込む
「次の新作入荷は○月頃なんですよ、またぜひ見に来てください」と帰り際に伝える。デジタルの連絡ではなく、記憶に残る一言を置いていく。
2
スタッフが「場所」ではなく「人」として覚えてもらう
「あの商品が欲しい」ではなく「あのスタッフに会いたい」で来店してもらえれば連絡手段が不要になる。名前を覚える・前回の会話を覚えている、それだけで圧倒的な差になる。
3
「来店の口実」を作り続ける
新作入荷・季節の変わり目・強化品番の入れ替えを「お客様が来る理由」として意識的に設計する。「今週来ると面白いことがある」状態を常に維持することが最大の集客手段。
Conclusion
2028年にパセオが開いて新しいお客様が来た時、「あ、この店は他と違う」と感じてもらえるかどうか。その差は今日から作り始めるしかない。

「今日の現場を回す人」ではなく、「2030年のお店を今日設計している人」であること。それが店長にしかできない、最も重要な仕事。